カナダ移住 クイックガイド
カナダ永住権を取得するにはいくつかの方法がありますが、ここでは日本の方が通常対象となるビジネス移民(投資家ビザ)、スキルドワーカー、CEC(カナダ経験)の各クラスの要点を解説いたします
(11-2024):
1. ビジネス移民クラス:
会社経営者、クリニック経営者、企業管理職の方を対象としたもので、メリットは他のクラスと比較し、必要とされる英語スコア(IELTS または CELPIP)が中級レベル(英検
2~3級程度、またはフランス語中級)のスコアで十分であること、年齢による不利な要素(例: 35歳を超えた場合)が無いことです。会社経営、クリニック経営、または会社上級管理職、事業マネジメントの職歴が基本要件であり、CA$700,000~CA$2,000,000
(日本円で 7700万円~2.2憶円) 以上の資産証明(例: 預金、株式、不動産、保険契約等の総計) も併せて必要となります:
Investor Visa 投資家ビザ (投資移民) |
対象: 経営者・クリックオーナー医師・企業上級管理職 保有資産: 2.2億円以上(預金・不動産・株式・保険契約等) 年齢(36歳以上)よるマイナス査定が無い フランス語会話能力評価スコア提出 (Speaking & Listening)が必要 ⇒ カナダ投資永住権解説 |
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Canada Startup Visa 起業家ビザ |
対象: 経営者・会社管理職・医師・エンジニア系の方等 保有資産: 7,700万円以上(預金, 不動産, 株式, 保険契約等) 1-2年でカナダ居住が可能 ビジネスの成否にかかわらず永住権認可が約束されている 年齢(36歳以上)よるマイナス査定が無い 英語検定スコア(中級程度、またはフランス語)が必要 居住地: バンクーバー、トロント等 ⇒ スタートアップビザ解説 |
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各州プログラム | ⇒ 各州の投資・起業プログラム情報 |
2. スキルドワーカークラス:
学歴・職歴・IELTS英語スコア・年齢等の要素を点数化、総合ポイントで永住権認可の可否が判断されます。年齢が35歳を超えますと減点対象となり、IELTS英語スコアは通常、各バンド
6~6.5 以上(実用英検1級以上相当)のレベルが求められます。過去にカナダ国内で一年以上の就労歴、または二年以上の正規留学歴がある方には追加ポイントが与えられます。現状は日本国内の四年制大卒の方で職歴がある方でも基準パスは難しくなっております:
Skilled Worker Class 技能移民 |
規定の職歴がある方 学歴が重要な査定要素 / IELTS or CELPIP 上級レベルが必要 年齢35歳位迄の方が有利 (36歳以上から年齢要素で減点) カナダで就労歴・留学歴がある方は有利(ESL留学は対象外) カナダ企業からジョブオファーが獲得出来れば極めて有利 ポイント査定で 67点以上が申請資格の有無の目安 ⇒ 自動ポイント査定 ⇒ エキスプレスエントリー解説 ⇒ 解説・成功へのヒント |
3. CEC(カナダ経験クラス):
カナダ移民局が認定したカナダ国内の専門カレッジ、大学等で 2年以上の正規コースを修了後、カナダ国内で 2~3年のフルタイム就労の経験を積みますと永住権申請資格が取得出来ます。移民局が認定する専門カレッジは入学要件の一つに英語スコア
IELTS 5~6(実用英検1級~2級以上に相当)程度は必要であること、2年間の留学総費用(生活費 + 授業料 ≒ CA$100,000 以上)
日本円で 1000万円以上となる点を考慮する必要があります。類似したもので "ケベック州パスウェイプログラム" がありますが、要件の一つに
"フランス語中級以上のスコア証明" があります。移民局が認定した専門カレッジ・大学修了後に取得出来る "就労ビザ"
は "Post graduate work permit" と呼ばれ 2~3年の期間限定でカナダ国内で就労が許可されます:
CEC カナダ経験 クラス |
カナダ国内で1年以上の就労ビザによる就労歴、またはカナダの公立大学・教育機関等で 2年以上の就学歴 + 1年以上の就労歴がある方に申請資格が与えられます ⇒ CEC詳細 |
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Post-Graduation Work Permit(PGWP) |
カナダ国内の公立大学、私立大学等でフルタイム就学・学位取得後 1 - 3年 のフルタイム就労後カナダ永住権申請資格を得られます ⇒ PGWP詳細 |
留意すべき点:
2年間の留学に要する総費用(= 授業料 + 生活費)は円換算で1000万円以上となります。カナダ国内の専門カレッジ・専攻学科の中には "Post
graduate work permit" 認可対象外のカレッジも多く存在しますので専門カレッジ・学科の選択にはご注意ください。2年間の留学修了後に就労を開始する際の職種選択では、永住権申請の際の
"NOC 移民局指定のスキルレベルの職種" で職が得られない場合の対応、数年後に資格要件が変更される場合がありますので、留学を検討される専門カレッジ・大学に関する正確な情報、修了生の現地での就職実績を確認されることをおすすめします。2023年6月以降、労働市場・人口統計分析データに基づき優先順位付けされる "カテゴリーベース選考システム"
が導入され、フランス語上級能力、または労働市場から需要の高い五つ分野で職能のある方に優先的に ITA(= Invitation to Apply)
が発行されております。今後、留学生が PGWP の有効期間内に永住権を取得出来ずカナダを出国しなければならないケースが増える可能性があり、IRCC(カナダ移民局)が指定する優先職種・職能を踏まえた上で留学先の専攻分野を選定されることが重要な選択肢の一つになると考えられます
⇒ カナダ永住権ニュース July 3, 2024付
メモ:
カナダ移民局は先日、 2024-2025年の各年度で約50万人の新規移民受入計画を発表しております。従来の年間受入実績約 40万人から更に増加となりますが、直近15年以上に亘り受入枠数を大幅に超えるカナダ永住権取得希望者が存在している状況を踏まえますと、カナダ永住権取得の難易度が大きく変動することはないものと推定されます:
参考引用元 ⇒ カナダ移民局 Twitter