カナダ・スタートアップビザ投資解説
カナダでの投資・起業を目指す方を対象としたユニークなプログラムで 2013年に Pilot Program として試験導入、2018年3月に恒久プログラムとなりました。投資家ビザより比較的少ない額の資産証明と投資で短期間にカナダ永住権の取得が可能で、申請受入枠は年間 2750 files に設定されております(11-2024)。
永住権認可要件:
- ビジネスプランを立案、政府指定の支援機関から "Letter of Support" を取得 (詳細後述)。
- 中級レベルの英語検定スコア(IELTS 等)、またはフランス語スコア (TEF or TCF等) 提出。
- カナダ国内、または日本から 22~36ヶ月の期間、マネジメントに参画。
- 目安となる事業資金は 50万~70万カナダドル (= 5500万円~7700万円)以上。
対象 | 経営者・会社管理職・医師・エンジニア技術系の方等 (文系プロフェッショナルが該当する場合もあります) | |
保有資産 | 日本円 7700万円~1億円以上: 預金、不動産、株式、保険契約等を含む / 配偶者の方の資産も加算出来ます | |
事業資金 | 50万~70万カナダドル(日本円 5500万円~7700万円)以上 | |
特長 1 | カナダでのビジネス成否に関わらず、永住権認可が約束されます | |
特長 2 | カナダ国内でマネジメントに参画、または日本国内からのリモートでの参画も可 | |
特長 3 | 短期間で永住権が認可(22~36ヶ月) / お子様はカナダ永住権者と同条件でカナダ国内の学校に入学可 / 居住地はトロント、バンクーバー等 / 年齢によるマイナス査定が無い | |
語学 | IELTS(CELPIP) 試験で中級以上(英語検定 2-3級程度)、またはフランス語試験中級以上のスコアシート提出 | |
投資 | ビザ認可が内示されてから投資実行・事業開始 | |
その他 | 銀行残高証明、ご経歴書、無犯罪証明書等の提出が必要(詳細後述) / 政府指定機関に支払う Incubator Fee が必要です / 証明書類の翻訳費用等は実費となります |
解説:
(1) Letter of Support:
カナダ経済に貢献すると期待される様なビジネスプランをご準備、そのビジネスプランをカナダ政府指定機関スタッフとの間で検討・協議を重ね、完全な形のプランに仕上げることにより、カナダ政府指定のベンチャー起業支援機関
(Designated business incubators) から、"Letter of Support" を取得します。ビジネスアイデア・プランは原則、申請者の方のご職歴・専門分野に関連したものであることが要件です。事業マネジメント経験(管理職経験・企業経営歴・クリニック経営歴等)は有利な要素ですが、必須要件とはされておりません。
(2) 中級レベルの語学力証明:
難易度は中級(= 実用英検 2~3級程度) で、下記のいずれかをクリアーされればパスとなります:
IELTS:
Speak 5 / Read 4 / Listen 5 / Write 5
CELPIP:
Speak 5 / Read 5 / Listen 5 / Write 5
TEF (フランス語の場合): Speak 225 / Read 150 / Listen 180 / Write 225
または TCF (フランス語 Test de connaissance du français) も可。
⇒ IELTS 解説 (難易度: 中級 "易しい")
⇒ CELPIP 解説 (難易度: 中級 "易しい")
(3) ビザ発給迄の所要期間:
就労ビザ認可迄約 10ヶ月(= カナダに居住可となります) ⇒ 約22~36ヶ月間、カナダ国内でマネジメントに参画(日本国内からリモートでの参画も可)、並行してカナダ永住権を申請します
⇒ プロセスの詳細は後述。
(4) ビザ認可の対象となるご家族の方:
ご本人、配偶者、及び申請時点で 22歳未満の未婚のお子様がご一緒にビザ認可となります。お子様はカナダ市民権保持者と同条件でカナダ国内の学校に入学出来ます。
(5) カナダ永住権認可の条件:
就労ビザ認可後、カナダ国内で約22~36ヶ月の期間、会社法等の法令に準拠、ビジネスマネジメントに参画されれば、ビジネスの成否にかかわらず、カナダ永住権が認可されます。従来の起業家ビザクラスで要求されていた売上額・納税額に関する要件はありません。マネジメントに参画する州・都市はカナダ国内の主要都市となります(ケベック州は除きます)、あるいは日本からリモートでの参画も可能。永住権認可後はカナダ国内のいずれの州・都市にも自由に引っ越し・居住が可能となります。
(6) 投資のタイミング:
投資金額は "30万カナダドル + カナダ法人設立資本金" となります。投資実行はカナダ政府指定のベンチャー起業支援機関
(= Designated Organization・Business incubator) からの "Letter of Support
の取得" が内示されてから行います。マネジメントへの参画にあたっては会社法・労働基準法等の関連法に準拠することが基本要件となります。
(7) 申請に必要な主な書類:
ご経歴書 / パスポートコピー / 無犯罪証明書
卒業証明書 / 取得単位証明(成績証明書)
資産証明 (銀行残高証明書等) / その他
(8) 永住権認可迄のフローチャート:
1 | ご経歴分析・ビジネスプラン立案 |
↓ | |
2 | 予備審査パス・ご契約締結 |
↓ | |
3 | ベンチャー支援機関との面接・予備認可 (オンラインでの面接となります) |
↓ | |
4 | ベンチャー支援機関との間で オンライン・ビジネストレーニング |
↓ | |
5 | Letter of Support 認可 就労ビザ・永住権を同時に申請 プロジェクトマネジメントに参画(22~36ヶ月) (日本からリモートでの参画も可) |
↓ | |
6 | 移民局指定クリニックで健康診断 |
↓ | |
7 | カナダ永住権認可・ビザ発給 |
↓ | |
8 |
ビザステータスの維持 (ビザ失効トラブル回避・サポート) |
(9) ビザ発給申請費用:
$1,575 | 連邦政府 申請者本人 | ||
$825 | 連邦政府 配偶者 | ||
$225 | 連邦政府 子供 | ||
$85 | バイオメトリクス登録費用 | ||
$500 | Landing Fee (大人の方のみ対象) | ||
$400 | クーリエ費用 (大使館費用実費) | ||
$350 | 健康診断費用(お一人あたり) |
Note #1:
事業資金(50万~70万カナダドル)は会社資本金としてご自身が設立する法人に払い込みます。その他に政府指定 Incubator に支払う Incubator
fee、弁護士費用(弁護士サポートを必要としない方は不要)、証明書類の翻訳費用(外部発注は致しません)等が必要となります。
Note #2:
ビジネスプラン提出からカナダ就労ビザ認可迄は約10ヶ月、永住権認可迄の総所要期間は約 22~36ヶ月の見込みです(プロジェクトの内容に拠り、スケジュールが多少調整される場合があります)。
Note #3:
2024年4月以降、政府が認可したインキュベーター(ベンチャー支援機関) 一社につき、Letter of Supportの発行対象プロジェクトは年間最大10件に設定されます。この措置は、ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家グループ・ビジネスインキュベーターに適用され、高成長の可能性を秘めたプロジェクトのサポートを優先することを目的としています。カナダ資本の支援を受けている起業家や、"テック・カナダ・ネットワーク"のインキュベーターと提携しているプロジェクト起業家については、申請中および新規申請のケースの両方に特別優先処理が適用されます。
Note #4:
法令を遵守され移民法の基本事項をご理解いただければビザ失効、入国拒否のトラブルに遭うことはなく、「各5年毎の期間に於いて通算 730日以上カナダ国内に居住」「毎年の税務申告」というカナダ永住権保持者としての基本義務を履行されていれば通常、特別な対応は不要です。
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